二人の声がひとつに聴こえた・・・

光一「今回の『H album』」はオリジナルアルバムとしては、２年ぶりになるんだけど、特に“久々のオリジナルアルバムだからこうしよう”とかそういう意識はなく作った。でもあえて言うなら、“２人”ということを　意識したかな」
剛「確かに“２人”ということは大切なことやな。でも今では意識しなくても２人らしさっていうのは、感じられるから、そういった意味では、特に意識したことはないかもね」
光一「そういえば、トラックダウンの作業をしてる時に、あれっ？て思うことがあった。２人のボ一カルは同じレベルで出てるはずなのに、ひとりで歌ってるのがちゃんと聴こえることがあって。あれ?光一いないの？剛いないの？って感じで。だからわざとバランスを崩して、２人が歌ってるのがちょんと聴こえるようにしたんだ」
剛「へ～、そんなことあったんや」
光一「『恋涙』って曲は、俺が作曲して、剛が作詞した曲。でもこの曲は、今回のアルバム用に作った曲で、自分的には“どうなんやろ～”って思ってから、そのままにしてて。で、アルバムの締め切りも迫ってきて、ディレクタ一さんにメ一ルに添付して送ったら、『いい曲じゃん』って言われて。『あっ、そうなんや』って感じで（笑）。この曲を作った時は、何も深いことを考えず、感覚で作った。でも案外、そっちのほうが考え込んで作るよりもいいものが生まれたりすることもあって」
剛「光一は、締め切りギリギリで曲が出来上がってくるから、ちょっとひやひやしてんや（笑）。『愛のかたまり』の時も、結構ギリギリやったから。でも今回はちゃんと予定とおりに曲をもらえて、光一のメロディにキレイ歌詞をはめられた」
光一「あと、今回、俺と剛のソロ曲も収録されてる。俺のソロ曲『Love Me More』について話すと、日本的ポップスではなかったから。それと、楽器で構成されていたから。そこにかれて、この曲を選んだんだ。この曲を歌うことによって、第三者が作り上げってしまってる堂本光一像を、完全に裏切るわけじゃなくて、光一っぽいんだけど、なんか違うよねって感じを出したかった。このソロ曲をやって、自分のやりたい方向性はこうなんですということを示せたような気がする」
剛「俺のソロ曲『Breath』は、河口恭吾さんに作詞・作曲していただいた曲なんや。以前、バラエティ番組に出てもらった時に、「今度、曲作ってください」みたいな話をして、そのことをアルバムの製作スタッフに話したら、河口さんに楽曲の製作を依頼してくれたみたいで。しばらくしたら、『河口さんから曲が上がったよ』って言われて。何曲が作ってくれはって、その中からこの『Breath』を選らんだんや。この曲は“河口さんが思う俺の歌”という感じがすごくして。だからレコ一ディングでは、今までにない新鮮な気持ちで歌わせてもらったよ」
光一「年末年始にはド一ムツア一が決まってるけど、今回の『H album』は、特にコンサ一トを意識して選曲はしてない。昔はコンサ一トを意識して選曲してたこともあったけど、今はやっぱりひとつひとついい曲を選曲し、完成度の高いアルバムを作りたいからね」
剛「確かにそれはある。今、２人がいいと思うものを作ることがやっぱり大切なことだと思うんや。年末年始のコンサ一トに関して、ちょっと話すと、やっぱり『H album』の曲を入れていきつつ、過去のよい作品も織り交ぜて、皆が楽しめるライブにしていくつもり」
光一「俺たちは常に現状に満足してるわけじゃなくて、もっといいものを作るにはどうしたらいいかを考えながら新しいものに挑んでて。だから今後もそういう思いで、新しいことにチャレンジしてきたい」
剛「Kinki Kidsは、やっぱり２人しかいないわけだから、２人でやることの意味を考えつつ、いろんな場で表現できたらいいと思ってるんや」
Source:　Potato雑誌（１２月）